子どもの読解力を伸ばすにはコレ
こんにちは。
新留です。
読解力をつけるには語彙力が大事。
そりゃ、そうだよね、、、
という感じがしますが、
そうは言っても、語彙力の重要性というのはまだまだ伝わっていないなと感じます。
まず、大前提として、語彙力をつけると読解力は上がります。
そして、語彙力は読む以外のところでも効いてきたりと良いことがたくさん。
語彙力がないと読めない、内容を理解できないというのは当たり前ですが、
それだけでなく、「語彙力」というのは感情のコントロールなどにも繋がってきます。
以前、『ケーキの切れない非行少年たち』という本が話題になりましたが、
自分が何を感じているのか、それをどんな感情と表現するのか、どう相手に伝えたらいいのかを表す言葉がないと、
イライラし、表現できないので手が出る……そういうことにもなってしまいます。
また、教育者の齋藤孝さんが『語彙力こそが教養である』の中で、
「より多くの語彙を身につけることは手持ちの絵の具が増えるようなもの」
「語彙が豊かになれば、見える世界が変わる」
と書かれていましたが、語彙力は見える世界を正しく認識し、表現するためにも必要なだけでなく、見える世界を豊かにもしてくれるのですね。
そこで今回は、「語彙力をみがくためにできる7つのこと」というテーマで書いてみたいと思います。
①近くに本や辞書を用意する
すごく初歩的なことですが、本や辞書が近くにないと、そもそも読もうという気が起きません。
目に入らないことには思い出すことは困難です。
ですので、インプットに向いた環境が必要です。
「うちの子、本を読まないのです……」というとき、
そもそも家に置いてある本が少ないことや、まわりの大人が本を読まないということもあったりするのですね。
本を読むのがいつもの習慣に、
そして、「あれってどういう意味だろう?」と疑問が出た時にすぐに調べられるように、近くに辞書などがあるといいですね
②パラパラ見るようにする
従来の考えでは、何かを覚えるときはただ見ているだけではダメだ、エビングハウスの忘却曲線に沿って復習しないとダメだ、書かなくちゃ、苦労しなくちゃダメだ、という説が強かったですが、
漢字や英単語に関する最近の研究では、1日1回、1ページ2~3秒見るだけでも確実に積み重なっていくということがわかってきています。
「明日、単語テスト!」という急な状況でない限り、パラパラと全体を通して見ているだけでも、すぐには思い出せないとしても蓄積はされていくので、「とりあえず置いておいて見る」というのもいいですね
③好きなものをどんどん読む
語彙力のある人というのは、語彙をたくさん、詳しく、正確に知っている人ですが、そういう人というのは、「物知り」なのです。
そして、そういう人は自分の詳しい分野について、マインドマップの幹と枝のように、
何が上位にあり、下位にはどんなものがあるのか、というつながりができています。
ハンターハンターが好きな人はどんなキャラクターがいて、どんな念能力があり、何編があり、このシーンがまたいいのよ…と語ることができます(僕はネテロ VS 王が好きです)。
好奇心がないと言われる子がいますが、好奇心がないのではなく、そもそもの知識がない、少ない、ということも多いです。
いろんなものにふれること、少しでもひっかかりが出たものをきっかけに広げていくことで好奇心が広がったりします。
趣味は長期記憶でもあり残りますので、まずは1つ語れる分野をつくっていけるといいですね
④会話や質問をする
語彙力は環境要因の大きい分野です。まわりにどれだけ知る環境があるのか、広げてくれる環境があるのか、が大きく影響を与えます。
どんどん知識や語彙は増えているけれど、まだ、上位語と下位語、抽象・具体などの関連は子どもの中でつくられていないということもあるので、
それをまわりがうまく質問してあげ、関連づけていってあげられるといいですね。
(1)抽象と具体を行き来する質問
「要するに?」「例えば?」
(2)広げていく質問
「同じようなものは?」「反対は?」
(3)因果関係を考える質問
「なんで?」「どうなる?」
の3つの質問パターンは、論理力を付けるのにも有効な質問なので、ぜひ積極的に使っていってみてくださいね(尋問にならないように気をつけながら、、、)
⑤想像と連想で覚える
マインドマップの考え方と同じですが、脳は「Imagination & Association」、「想像と連想」で覚えていきます。
この漢字を使っているってことはこんな意味じゃないかな、この部首を使った漢字ってこんなものがあるよね、という具合だけでなく、
「思う」にも「思い出す」「思い巡らせる」「思い知る」「思い浮かぶ」「思い込む」「思い続ける」「思い悩む」って言葉があるんだね、という風に、
英単語を語根や接頭辞、接尾辞で関連づけて覚えるように広げていけると、理解力や読解力、表現力も磨かれますし、いいですね
⑥説明文や論説文を読む
物語文や小説を読むのは感情語を知り、感情の強弱を覚えていくためにもいいのですが、
それだけだと、同じ系統のものを読むことも多く、なかなか知っている語や興味の世界が広がりませんし、精読力も磨かれません。
説明文は多くのものが論理的に書かれていて、慣れれば読みやすいですし、知識も増やすことができるので、新聞や新書など、少しずつふれていくのもおすすめです
(物語文の読解が苦手な子は知っている感情語の数が少なく、感情の理解が大雑把なので、いろんな物語を読むといいですね)
⑦作文を書く
語彙には、見たり聞いたりして理解できる「理解語彙」と、書いたり話したりできる「使用語彙」があります。
見たり、聞いたり、話したりで「理解語彙」を増やすことはできますが、「使用語彙」を増やすには、作文が効果的です。
異なるテーマで作文をすることで「あれって何て言うんだっけ……?」、「この使い方で合ってたっけ……?」と考える機会や調べる機会が増え、「使用語彙」が増えていきます。
作文を書けない子って、長い文が書けなかったり、同じことを書いていたりするのですが、それは「使用語彙」が少ないからなのです。
たくさん書く機会を作ることで、「使用語彙」を増やすための機会をつくっていきましょう。
最後に…
『天空の城ラピュタ』のシータのセリフに、
「いいまじないに力を与えるには、悪い言葉も知らなければいけないって、でも決して使うなって」
という言葉があります。
まずは理解できるために、伝えられるようになるために、
そして、見える世界を豊かにするために。
この7つの方法を使って、たくさんの語彙を身につけていってくださいね^^