大事なことは面倒くさい。面倒くさくてもやらないといけないときの3つの方法

こんにちは。

にいどめです。

 

保護者さまから、

「宿題って、どうやったらやるんですかね…」

というご質問をいただきました。

わかります。子どもの気持ちが非常に強くわかります。

宿題って面倒くさいですよね。

適切な時期に適切な方法で種をまいてあげて、環境を整えておけば、わりと高い確率で植物が芽を出し、花を咲かすように、

子どもの発達段階に合わせた適切な時期に、その子の才能に合った適切な方法で種をまいてあげて、

植物にとっての「水と適切な気温と酸素」のように「栄養やあたたかい雰囲気、声かけ」などの環境を整えておけば、

興味や関心の芽や、才能という花などは、時期が遅い、早いという差はありますが、出てくる確率は高いです。

ただ残念ながら、「適切」といっても、みんな共通の「やる気スイッチ」みたいなものを押す唯一の完璧な方法なんていうのはありません。

そして、さらに残念なことに、興味や関心の芽が出てきて、自発的に本を読んだり、調べたり、作ったりすることはあっても、「宿題や練習をするのが好き」ということにはほとんどなりません。

自分のことを思い出してもわかるかなと思いますが、「宿題をする」というのは最高に面倒くさいものなのですよね。

「勉強っておもしろいな」と思ったとしても、「宿題や練習がおもしろいな」とはまた別物なのです。

練習って基本的に大変だし、つまらないし、面倒くさいものです。

できないことをできるようにするのが練習なので、それはしんどいものでもあります。

(逆に、できるものを、てきとうにこなすのは練習とは言えません)

ましてや、クラブ活動などを思い出したらわかりますが、「やらされる練習」って楽しくないものです。

以前、『プロフェッショナル仕事の流儀』で、ジブリの宮崎駿さんが特集されていたのですが、印象的だったのが、ひたすら、

「面倒くさい」

を連呼していたこと。

あの世界の宮崎駿さんが、

「面倒くさい」

「究極に面倒くさい」

とひたすら言っているのです。

あの「世界の」宮崎駿さんがです(笑)

でも、

「面倒くさかったらやめれば?」

といわれると、

「うるせえな」

って言って、やるって言うんですよね。

「世界の」宮崎駿が「面倒くさい」って言ってるんだから、「日本の、大阪の、箕面の」自分が「面倒くさい」って感じるのは当たり前なのですよね。

でも、「面倒くさい」と「やらない」っていうのは違います。

個人的な話でいうと、僕自身は、「勉強や研究をする時間」と「運動をする時間」というのを「仕事をする時間」とは別に確保していて、それらはやっているけれど、毎日必ずするには面倒くさいものでもあります。

でも、

「もっといい勉強のやり方や、能力を上げるためのもっといい方法はないかな?」「これから世の中はどんな方向に流れていくのだろう?」って思うから、1日1冊は本を読んで勉強や研究をするし、

「もっと、体力つけないとな…」とか「子どもの運動会で足の速いお父さんってかっこいいよな…」なんて思うから、毎日10分の運動をやっていたりします。(あと、運動は脳の成長にも関係しているので、頭のキレを増すために、というのもあります)

「大事なことだから、面倒くさくてもやる」のですね。

「やらない」というのは、じつは本人にとっては「大事なことじゃない」ってことだったりもします。

といっても、親としては、宿題くらいは何とかやらせたいもの…ということで、子どもって、みんなやる気になるポイントは違っていて、

「こうしたら大丈夫」というのはありませんが、「こうした方がいい」という方法はありますので、今日は、そんなコツを3つ書いてみたいと思います。

 

①「自分で」決めさせる

やり方、やる時間、やること、何でもいいので、少しでも「自分で」決めさせましょう。

「内発的動機」といいますが、ひとは自分で決めると、やる確率が上がります。

そして、心理学者のダイアナ・コルドヴァらの研究によると、それは学習内容とは全然関係なくてもよいということがわかっています。

たとえば、宿題をやる時間、やる場所、どれぐらいやるか、どのノートにやるかなど、何でもいいので、「自分で決めさせる」ようにしてください。

「やらなくちゃいけない」というのは「義務」や「役割」なので、楽しくないのですが、「自分で決める」と「約束」になるので、守る確率が上がります。

 

②具体的に、数字を入れて、目に見える形で

指示をするときは、「早くやりなさい」「〜してはダメ」などの精神論や抽象的な言葉ではなく、「◯時までに(△分で)終わらせる」「〜してね」などの具体的な数字や行動で示してあげましょう。「やった、やってない」を目に見える形にするのもいいですね。

「早く」というのは、いつかわかりません。

「〜してはダメ」というのは、やったらダメなことはわかりますが、何をしたらいいのかはわかりません。

女性が男性に「察してよ!」といっても「(いや、わからん…)」となるように、きちんと言葉に出して、具体的に、数字や期限を入れて、伝えてあげてくださいね。

子どもに関しては特に、「具体的に」「目に見える形で」ということが大事です。

あと、ちょっとしたコツとしては、「簡単なもの」「早くやったほうがいいもの」をやるときには、「やったら何をしていいか」などご褒美を決めておくのもいいですね。

逆に、「難しいもの」をやるときには、「細かいステップ」に分けてあげて、いっしょにやってあげるとやりやすくなります。

学校の「時間割表」のように、「やる時間」や「やること」「やる場所」を決めておくのがおすすめです。

言葉だけでは抜けてしまう子も多いですし、子どもとしても、自分でやっているかどうかの確認もできないので視覚化してあげてくださいね。

「忘れ物が多い」なども、口で言うのではなく(言うの疲れますし…)、チェックリストなど「目に見える形」にするといいですね。

最悪、パンツをはき忘れることはないように、ほんとに大事なものなら(あるいは忘れてはダメなものなら)痛い目を見て、次回から修正していくはず。

 

③「こうしたら、こうする」を決める

脳は面倒くさいことは大嫌い。それだけでエネルギーを使ってしまいます。

「何曜日の何時からは塾の宿題をする時間」など、簡単な計画を立てるだけすが、それだけで、行動力はアップします。

社会心理学者のゴリヴィツア—の研究によると、それだけで行動率は「2倍以上」になるそう。

あらかじめ決めておくことで、寝る前には歯磨きをするような「習慣」にしてしまいましょう。

逆の使い方で、保護者さまの中には、「宿題をやらないとご飯を食べさせない」という決まりをつくっておられる方もいます。

脳がエネルギー不足になり、処理能力は落ち、学習の効率が悪くなるのであまりおすすめではありませんが…。

 

以上の3つ、これらはあくまで「確率を上げる方法」ですが、何事もやらないよりやった方がマシ。お困りの方は、ぜひ、試してみてくださいね。

そして、必ず、その子に合った方法があるので、粘り強く、他の子と比べないで、失敗しても大丈夫だからねという言葉といっしょに、少しずつ「できた」という経験を積ませていってあげてくださいね。

みんなの行動力がアップし、「やればできるんだ」という自信と、着実に型を積み重ねた盤石の力がつきますように。

ではでは。

粘り強い子になる!3つの育て方

14720406_1005555146233335_7245013140701693906_n

こんにちは。

RAKUTOのにいどめです。

 

面談や送り迎えのちょっとした時など、保護者さまに、

「先生、うちの子ほんとメンタルが弱すぎて…どうしたらいいでしょう?」

と聞かれます(とくに一人っ子の男の子が多いです)。

一人っ子の男の子ではありませんが、わりとすぐにあきらめがちな僕は、

「男の子って…そうですよね(ニコッ)」

と返すようにしているのですが、トレーニングの甲斐あり、以前よりは、多少マシになってきているかなとは思います(おそらく)。

「粘り強さ」や「忍耐力」というのは鍛えられるのですね。

そこで、今回は、『粘り強い子になる!3つの育て方』としてまとめてみました。

 

「ダイエット」「失敗」などの言葉に、ドキッとする方には、

少し耳の痛い話があるかもしれませんが(先に謝っておきますね。ごめんなさいm(_ _)m)

よかったら、参考にしてみてくださいね^ ^

 

 

「粘り強さ」「忍耐力」「意志力」「夢を叶える力」…

いろんな言い方があるかと思いますが、どれも、自分のやりたいことをやっていくために非常に大切な力です。

 

どんなに好奇心やセンスがあっても、すぐにあきらめていては芽は出ません。

何かを始めて、最初はスルスルと成長していたとしても、どこかで必ず成長スピードは鈍り、なかなか成長を感じられないしんどい時期が来ます。

どんなに素敵な夢を思い描いていても、行動が伴わなければ、何も現実にはなりません。

 

大事なのは「続けられるかどうか」なのですね。

 

「粘り強さ」や「忍耐力」「意志力」「夢を叶える力」というと、漠然としているので、ここでは、3つの力に分けてみます。

 

①やる力

②やらない力

③描く力

 

これらを意識して鍛えることで、「粘り強さ」や「忍耐力」がつき、目標達成力というようなものも身についていきます。

 

①「やる力」を鍛える

 

1つ目は「やる力」です。

これは、何かを決めたら、そこに集中することができる力です。

先延ばしや言い訳をせずに、しっかりと目標にとって必要なこと、やるべきことをやっていく力ですね。

 

これを鍛えるには、「毎日やることを決める」「ルーティンを決めて守る」ことが効きます。

その際のポイントは、「きちんとやることを明文化、数値化する」こと。

 

料理で考えるといいのですが、献立のようなものがあり、その分量の通りにつくるから、ちょっと薄い、ちょっと辛いと感じた時に、次回、分量を変えて調整したりすることができます。

 

明文化、数値化し、「基準をつくる」から、できた、できなかったのチェックや傾向の記録、分析ができるようになります。

それがないと、「なんとなく」やった、やっていない、できた、できていない、になってしまうのですね。

 

社会心理学の調査で、

「ダイエットするには、自分の体重をきちんと知って記録すればいい」

というのがあるのですが(これを利用した『レコーディング・ダイエット』というのが、むかし流行りましたね)、なるほどと思い、

 

「気心の知れたダイエットに失敗し続けている友人女性」の何人かに、あ〜なんかダイエット諦めてきた気がするなと感じた時に、失礼を承知で「体重測ってる?」と聞いてみました。

 

すると、おもしろいことに、

 

「最近、体重計に乗っていない」と言ったり、

「体重計を隠して視野に入らない」ようにしていたり、

「体重計の電池が切れている」などと言い出したりしたのですね。

 

「なるほど、社会心理学すごい…!!」

 

とエビデンスとしては少ないですが、納得と思った出来事なのですが、「数字を知る」というのは大事なのですね。

なお、この「体重測ってる?」調査ですが、もれなく、「嫌われる」という特典が付いてきたことはここに書いておきたいと思います。

 

「毎日やることを決める」「ルーティンを決めて守る」

これらは、勉強以外の生活習慣でも決めておくと自然と鍛えられます。

 

僕自身も現在いくつかやっていること、

「くつを揃える」

「毎日トイレ掃除をする」

「朝と夜にストレッチをする」

「1日1冊本を読む」

「1週間に2000字のアウトプットをする」

などがあるのですが、

 

「ちょっとめんどくさいけど、意識してやればできる」というレベルが設定のポイントです。

 

「意志力は筋肉のようなものである」

 

とは心理学者のロイ・バウマイスターさんの至言ですが、

「ちょっとがんばればいける」ということを決めて、続けることで、お子さまの「やる力」は筋肉のように鍛えられます。

 

 

②「やらない力」を鍛える

 

「やらない力」は「自制心」や「大事なことを優先する力」と言い換えることもできます。

 

これらも、「やる力」とは逆、「やらないことを決める」「ルーティンを決めて守る」で鍛えられます。

その際のポイントは、同じく、「きちんとやらないことを明文化、数値化する」こと。

 

「やらない力」を鍛えることで、「やる力」もアップします。

 

また、個人的な話ですが、

1年以上前に、いろんなアスリートの本や栄養の本を読んでいて、思い立ち、

「パンを食べない」

ということに決めました。

 

現在のRAKUTO箕面校の1階には、美味しいパン屋さんがあり、

店長さんに会うたびに「どめさん(そう呼ばれています)、最近、来てくれないじゃないですか〜」と言われるのですが、

パン屋さんを前に「パン食べないようにしてるんですよ」とは言えず、笑顔で「みんなに言っておきますね〜」と言い、心の中で「ごめんなさい…」と唱えております。

 

ただし、「やらないこと」は制限しすぎるとしんどくなってしまうので、「ほどほど」にすることが大事かなと思います。

 

僕も、

「近所の美味しいパスタ屋さんのセットで出てくるバケットはオッケー」

などというゆるゆるな設定にしています。

 

子どもたちには、簡単にできることとしては、勉強をする時は「タイマー」をセットし、

「いまやること、いまはやらないことを決める」、「いまやること以外のもの」や「気の散るもの」を視界に入らないところに「隠す」ということをするように言っています。

 

お菓子を引き出しの中に入れておくだけで、机の上に置いておいたときよりも消費量が「3分の1」になったという結果もあるそう。

 

ぜひ、「ちょっと難しいこと」「ちょっといつもやっていることとちがうこと」など、「やらない力」を鍛えるためにやってみてくださいね。

 

 

③「描く力」を取り戻す

 

「夢見る力は夢を叶える力」だと思っているのですが、

こうなりたいという「目的」を持つことで、ラクな方や、一時的な快楽などに流されそうな時に、スッと元の道に戻って来られたり、苦しい時にあきらめない力が身につきます。

 

またまた、個人的な話になりますが、

高校生のときに「塾の先生」になろうと決めました。

家と学校につづく「第3の場所」としての塾や、そこにいた先生たちがすごく好きで、僕もこんな場所をつくりたいな、こんな人たちになりたいなと思ったのがきっかけです。

 

ですが、一つ、大きな問題があったのですね。

 

「ものすごい人見知り」

 

だったのです。

恥ずかしかったり、人目を気にしすぎて、全然話しをすること(とくに女性と)ができなかったのです。

そんなことでは、保護者さまとお話しできません。その恥ずかしがりやっぷりでは、子どもたちの前に立って授業をすることも危うい…。

 

しかし、塾の先生になることは決めています。

そこで、3つの段階に分け、一つひとつクリアしていこうと決めました。

 

1段階目「人に慣れる」

2段階目「サービスについて学ぶ」

3段階目「自分の理想の場所をつくる」

 

まずは、1段階目、人に慣れなきゃ始まりません。

そこで、塾で教える前、人に慣れる練習として「1年、スーパーで働こう」と決めました。

それも、スーパーの品出しだと、人と面と向かい合わなくていい、冷蔵庫の方を見ておけばいい、夜だと人もそんな来ないだろうと考えました。まだ、レジ打ちさんなどに比べるとハードルが低そうに感じたのですね。

それも、あまり知っている人の来なそうなスーパーという念の入りようです。

なぜか、同じスーパーのおばちゃんたちに可愛がってもらえたのがいい思い出です。

 

2段階目「サービスについて学ぶ」

 

次に考えたのが「サービスについて学ぶこと」。

塾で子どもたちに教えるだけでなく、将来、自分の場をつくることを考え、きちんとサービスについて学ばないといけないなと思っていました。

 

1段階目の「スーパーで人に慣れる」の時期をクリアしたあと、思ってもいなかった素敵なご縁というギフトも得た僕は、ようやく塾で教えることをスタート。

 

と同時に、サービスを学ぶため、最初はホテル(まずはいろんなひとを知るため)、その次、フレンチレストラン(きちんとしたサービスを学ぶため)と期間を決めて働きました。

かなり肉体的にもしんどかった時期ですが、人にはすっかり慣れ、さらに、すばらしい先輩や友人と出会えるという機会に恵まれました。

 

3段階目「自分の理想の場所をつくる」

 

段階を経ていると、ありがたいことに、ご縁で、いまのRAKUTOをやるというチャンスをいただきました。

ここまで来ると、ほとんど奇跡。そして、今になっています。

 

長くなりましたが、「塾の先生になりたい」という「目的」を持つことで、苦しくて諦めそうになるときも「全部そこにつながっている」と思い続けられました。

 

僕自身は、本当にやりたいことをやれるようになりまで10年かかりましたが、子どもたちには、もっと早く、何か自分のやりたいことを見つけ、どんどん夢を叶えていってもらえたらなと思っています。

 

まずは、

「やることを1つ決める」

「やらないことを1つ決める」

(明文化、数値化をお忘れなく^ ^)

「できたかできなかったかを記録」、

習慣になると言われている「21日間続けてみる」

(記録が途絶えても、気にせず、再チャレンジです^ ^)

 

よかったら、やってみてくださいね。

子どもたちが今のすばらしいまま成長し、イキイキした瞳の大人になってくれますように。

 

(新留裕介)

スタンフォードに学ぶ!子どものやればできるマインドを育てる3つのポイント

IMG_3415

 

こんにちは。RAKUTOのにいどめです。

もうすぐハロウィンですね。

RAKUTO箕面校では、今週からハロウィンウィーク。

子どもたちが毎日、思い思いの仮装をしながらやって来てくれています。

1週間前から準備をし、そんなにたのしみにしていたの!?というくらい喜んでくれている子もいてうれしいばかりです。

教室の壁の一部を、ウォールアートとして自由に飾りつけしていいよ〜と言ったところ、そのために早く来る子や、予想外に男の子もハマっていて、みんなおもしろいな〜とほっこりさせてもらっています。

 

さて、いま、教育界では「GRIT(やり抜く力)」ブーム。

今まで称えられてきた「IQ」より、将来的な成長と成功において大事な才能は、「続けられる才能」だということが、ようやく広まってきました。

とはいえ、子どもたちに、

「将来、何かの世界でプロと言われるものになるのに必要なものって、『才能』と『努力』どっちだと思う?」

と聞いても「才能!」と返ってくることも多く、

失敗したときに、「才能ないねん…」という言葉が聞かれることからも、まだまだ伝えられていないなと感じます。

 

そこで、今回は「スタンフォードに学ぶ!子どものやればできるマインドを育てる3つのポイント」としてまとめてみました。よかったら参考にしてくださいね。

 

【1:親がお手本になる】

同じ失敗をしても「あそこがよくなかったな」と感じる子と「自分はダメだ、これは苦手だ」と感じる子がいます。

「世の中はこういうものだ」という考え方をマインドセットと言いますが、これには2種類あると言われています。

一つは、「人は変わることができる」と考え、大切なのは「自分が成長するかどうか」。努力をいとわない「成長型のマインドセット」。

もう一つは、「人は基本的に変わらないし、大切なのは人からの評価」。結果にこだわりすぎ努力嫌い(努力するのは才能がないからと思うため)。プレッシャーに弱く、人にも批判的な「固定型のマインドセット」。

ホップクラスで1年ほどすると、子どもたちから、チャレンジする姿や、「間違えてもいいんだよ」という他の子への声かけがよく見られますが、このマインドセットの違いはどのようにして作られていくのか?

 

RAKUTO箕面校の保護者さまの中ではおなじみ、これまでにも何度も登場していただいているスタンフォード大学心理学教授のキャロル・S・ドゥエックさんによると、それは、その人が今までにどのような経験をしてきたか、そして、周囲の人、とくに親や教師など、「権威」としての存在である大人が、どのような反応をしてきたかによって決まるそうです。

 

心理学者のバンデューラさんは、子どもには「観察学習」という特性があり、モデルの行動を見るだけでその行動を学習してしまうということを指摘しています。

 

親というのは子どもにとっての「レンズ」のようなものなのですね。

親が「チャレンジすることが大事」「世界は安全で豊かなところだ」「おもしろいところだ」と見ているか、

「失敗しないことが大事」「世界は危険がいっぱいなところだ」「つまらないところだ」と見ているか。そのレンズを子どもも受け継いでいきます。

どんなレンズをつけているでしょうか?

 

【2:すぐれた先生につく】

「お前は果たしてそうなのか?」といきなり自分たちの首をしめていますが(笑)、発達心理学のエリクソンの説では6歳〜12歳は「やればできる」という体験をして「勤勉性」を学ぶ時期になり、学校や近隣にいるひとの影響を強く受ける時期とされています。学校や塾の先生、家族以外で近い存在が果たす役割が大切。

先生やまわりの大人がどんなことを言っているのか、しているのかを見ているのですね。

 

先生というのは、カメラマンのような存在ではないかなと思います。

一流のカメラマンはモデルの魅力を引き出し「私って、こんなにきれいだったんだ!」と気づかせてくれる。その子の最大限の可能性や、思ってもいなかった一面をを見せてくれる。

 

スタンフォード大学といえば、2016年世界大学ランキングで3位(東京大学は39位)、毎年のようにベスト3入りの名門大学ですが、そこに入ってくるのは小さい頃から「才能がある」「君はみんなとは違う」と言われてきた子(「固定型マインドセット」の子)が多いそう。

スタンフォードのような大学に入るまでは、それでよかったかもしれない。

(そうでないと、それだけの成績は取れません)

でも、大学のその先、長い未来の可能性をより引き出すには「固定型のマインドセット」というのはチャレンジや成長の足かせになります。

そこで、先生たちは最初のオリエンテーションで、

「挑戦や失敗は学びのプロセスだ。失敗はスタンフォードの学生でも普通のことだ」

と言うのだそう。

世界の起業家の集まるシリコンバレーの近くに位置するということからも、「前向きな失敗」「経験から学ぶ」「リスクをとる」ことの大事さを伝えられるのですね。

 

ドゥエック教授によると、すぐれた教師というのは、

「知力や才能は伸ばせると信じており、学ぶプロセスを大切にし」

「できる生徒に対してだけでなく、すべての生徒に対して高い基準を設け」

「温かくて度量の大きなひと」なのだそう。

 

「そのままでいい」と、努力しないでいいということを間接的に伝えたり、基準を下げたりするのは、効果がないとおっしゃっています。

僕自身、自らハードルをあげていますが、大丈夫でしょうか…。

 

【3:ほめ方を変える】

「よくがんばったね!すばらしい!」

「今回はうまくいかなかったね。どうやったら次にうまくいくか考えてみよう」

「よくできたね!もう少しうまくできると思ったところはある?」

「これは難しいね。すぐにできなくても気にしなくていいよ」

「もうちょっとがんばってみようか。一緒にやればできるよ」

これらは成長型マインドセットを育てるほめ方と言われています。

一方、

「才能があるね!すばらしい!」

「才能があるから次はきっとうまくいくよ」

「よくできたね!すばらしい!」

「これは難しいね。できなくても気にしなくていいよ」

「向いてないのかもしれないね。君には他にできることがあるからいいよ」

などは似ていますが、固定型マインドセットを育んでしまうほめ方と言われています。

ちがいは、「特性ではなく、努力」、「変わるものをほめているか」。

「やったこと、変化」をほめることが大切です。

 

ほめるというのは、素敵なパートナーを持つようなものです。

ほめ上手なパートナーは、「見た目最高!」ではなく「あれ?髪型変えた?すごく似合ってるね!」など、がんばったところや、変わったところを見つけてくれ気持ちを上げてくれます。(僕も見習っていきたいと思います)

 

注意しなくてはいけないのは、「早くできたね!」や「間違えなかったね!」というようなほめ方。

これらは、「私はスピードを評価する」「私は完璧であることを評価する」というメッセージを相手に伝えていて、「丁寧さ」や、成長するためには欠かせない「チャレンジ精神」を損ねる危険があります。

何気なく、使っていて、ちがうメッセージが伝わっていることってよくありますよね。

もちろん、そんなときも、自分を責めるのではなく、「きちんと気づけるようになった」「まだできていないだけ」と許してあげることをお忘れなく^ ^

上記のようなほめ方、よかったら、お家で練習してみてくださいね。

 

以上、「スタンフォードに学ぶ!子どものやればできるマインドを育てる3つのポイント」としてまとめてみました。参考になれば幸いです。

ほめ上手なひとが増え、笑顔がたくさんあふれますように^ ^

 

(新留裕介)