生徒に結婚をすすめられる男

こんにちは。

新留です。

つい昨日のこと。

高学年クラスのテスト終わりの切り替えの時間中、

子どもたちから、

「先生〜めっちゃストレスたまる〜! 学校の先生が理不尽すぎる!」

「なんか勉強に集中できない〜どうしたらいい?」

と質問されました。

休憩時間が先生の都合で毎回ほとんどなくなってしまっているのに、それを指摘したら〇〇くんがと他人のせいにするなど……子どもたちも大人顔負けで大変ですね(笑)

悩みごとや気になることがあったらなかなか集中することもできないし、

冷静にいまは何をしたらいいのかと優先順位をつけることもできず、勉強を思った通りスムーズに進めることができません。

大人とちがって、

「ちょっとストレスがたまってるからカフェでケーキでも食べちゃおう!」とか、

「がんばったご褒美にマッサージでも行っちゃおう!」ということもできないので、

大人側が観察して、ちょっと様子がおかしいなと思ったら聞いてあげたり、対処してあげたりすることも必要だったりします。

どうもうまくいかないな……というときって、自分では気づいていないけれど、かなり充電がなくなっているのですね。

毎日、スマホを充電するように、体だけでなく、心のメンテナンスも必要です。

そして、その方法って、人によって様々です。

僕も、つい先日、平日ショッピングモールが開くようになったことで「いつぶりだろう?」というくらいひさしぶりに好きな場所に買い物に行ったのですが、

わずか1時間ほどの滞在だったにも関わらず、

「すごい心が豊かな気分になった……!!」

と感じられるくらい、心がすっきりし、満たされて、手には大きな紙袋が2つありました。

(本屋さんと茅乃舎さんは心を豊かにしてくれます)

僕にとっては、海を見ることや、きれいなものを見て買い物することが充電方法だったりするのですね。

ストレスの解消方法は様々で、

自分では気づいていないけど、ストレスはたまっていたりするので自分なりの解消方法を見つけておくって大事です。

子どもたちには「充分な睡眠」(5〜12歳だと理想は10時間、最低でも8時間)をとるようには常に言っていますが、その他には、歩くといいよという話をしました。

街中だと効果はそれほどないのですが、自然のなかを歩くと、充電されます。

以前、受験生のお母さまが、

「受験勉強が始まってから運動不足になるし、ストレスもたまるし、体力つけるためにも娘といっしょに毎日散歩するようにしたらコミュニケーションの時間にもなってすごくよかった」

とおっしゃっていましたが、すごくいい方法だなと思います。

歩いているときって後ろ向きになるのが難しいのですよね。

万歩計などつけて歩くと、その数字もまたゲーム感覚でおもしろかったりするのでいいですね。

受験生になったりでやることは多いけれど、たまった体や心のメンテナンスをする機会は少なくなっていく、

特にこのコロナの状況では外に出る機会や、旅行などに行ける機会は少なくなっているという、なかなかしんどい状況ですが、ストレスを解消する、自分を充電するための自分なりの形を見つけてもらえればなと思います。

その後、さらに6年生の女の子から質問が。

👩「先生って悩みとかないの?」

👨「うーん……特にないかも……」

👩「えっ、ほんとに!?」

👨「もちろん、考えることや、やることは毎日たくさんあるけど悩みってのはないかも〜」

👩「ないの!? じゃあ。考えなくちゃいけないことがあるときはどうするの?」

👨「仕事終わりに1時間くらい歩いて帰るかな〜。そしたら大体解決しているしスッキリしてるよね」

👩「先生、早く結婚した方がいいよ……学校の先生紹介するよ……」

と言われました。

なぜ……?

悩みそうです。

仕事の遅い男

今月もこの時期が来ました。

月に一回、保護者さま向けにコラムのようなものを書いているのですが、毎月、なかなか何を書こうかが思いつかず苦悶しております。

ブログはとくに何も考えずに書いていたり、

内容的にも、保護者さま向けに7年間書きためたものの中から、数年前に調べて書いたようなことを思い出したりしながら書いたりしていて気楽なのですが、

どうもコラムとなると力が入ってしまったり、

いま、みんなを見ていて感じることって……

いま、伝えておいた方がいいことって……となったりで、なかなか書けません。

毎月「今月はこれについて書こう」と思いついても、そのあとも本を10冊ぐらい読んだり調べたりして、1、2週間はこれ書こうかな、いや、これは省こう……などと考えています。

「この流れでいこう」って思うとスラスラと1時間くらいで書けるのですが不思議なものです。

そんなわけで、毎月、編集担当のK先生から

「早く書け」

と言われ続けています。

「まだ書けていないんですか?」

「昨日、明日にはできるって言いましたよね?」

「何回言えばいいんですか?」

「はあ〜〜〜〜〜〜」

と言われ、家族にも、

「今月もまたどめ先生が提出しない」

と愚痴られ、

家族内で「仕事の遅い男」認定をされております。

まるでいちばん下っ端のような扱いですね。。。はい。。。

さて、そんな時に、すばらしい記事を見つけました。

なんと、

「先延ばしするのはクリエイティブな能力が高いひとや問題解決能力が高いひとによく見られる習慣」だそう。

すばらしい。

最高。

あのレオナルド・ダヴィンチは「モナ・リザ」を1503年に描き始め、亡くなる直前の1519年に描きあげました。

その間、光の実験や研究をしていたことが、絵の立体感を出すことにつながったのだそう。

そして、

あのキング牧師も、「I have a dream.」の前、スピーチライターやアドバイザーに意見を求めてから数週間内容を決めず、4日前になって取り組み始め、前夜に作り直し。

しかも、あの「夢」に関する内容は、実際の原稿にはまったく記載されていないそうなのです。

直前まで練って煮詰めているから、最後、即興で生み出されたりする。

「先延ばし」は生産性にとっては有害かもしれませんが、創造性にとっては有利なのかもしれません。

ただし、そのためには、目的のための素材をストックし続けることが大事なのだそう。

これをしようと考えて、素材を集めつづけていると、いつかフッとおもしろいアイデアがわいてくる。

「仕事が遅い」ので、

クリエイティブで、問題解決能力が高いのかもしれません。

そして、もし、

「仕事が遅い」と言われたとき、

よかったら、

「いま、クリエイティブなアイデアがフッとわいてくるのを待っているんだ」

と言ってみてくださいね。

僕は言ったところ、

「いいから早く書いてください」

と言われましたが。。。

ではでは。

(オセロ大会と将棋大会以来、教室内では静かなブームが続いています^ ^)

映画館のインスタ女子

こんばんは。

新留です。

緊急事態宣言が出たことにより映画館で映画を見れなくなって久しいですが、コロナで生活習慣が変わる以前は、1週間に1本は映画館で映画をみる生活をしていました。

映画館で映画をみる醍醐味は、2時間などのまとまった時間を目の前の映画だけに没頭できるということ(これって、忙しい今ではすごく贅沢な時間だなと思っています)や、

ポップコーンだったり、ポップコーンだったりしますが、

集中して見たいというのもあり、レイトショーだったりで混む時間帯を避けたり、

少し人気が落ち着いてから見に行ったり、

前に集団で見にきてワチャワチャするようなひとがいると困るので席を考えたりと、いろんな対策をして見にいくようにしていました。

ところが、あるとき、

事前に予約サイトを確認し、空いているなと思って見に行ってみると、直前に映画を見ることを決めたひとが多いのか、思いのほかお客さんが入っていて(と言っても埋まっているのは30〜40%ほどですが)、2つ席を空けた並びに、若い女性が2人並んで座ってきたことがありました。

ギリギリに入ってきたり、来るときも騒がしかったりで嫌だな〜という感じはしていたのですが、予感は的中。

TOHOシネマズだと、上映前に予告編だけでなく、ドラえもんのコロナ対策の案内が出たり、映画泥棒のムービーが流れたりしますが、

NO TALKING

NO KICKING

などのときも、全然スクリーンを見ていなく、横を向いて話しています。そして、声もでかい。

映画中も、好きな俳優さんがいるのか、その俳優さんが出てきたらキャー! と言ったり、その俳優さんのことを調べているのかまではわかりませんが、スマホをつけ、インスタを開いたりしています。

映画館でスマホの光って目立つのですよね。

せっかくの没頭する時間なのに……と、何度も集中が切れてしまいました。

終わった後、映画自体はおもしろかったのに、どこかモヤっとした気持ちを抱えたまま映画館を出たのですが、

なんで映画館で話をするのかな……

そもそもコロナのこともあるし、話をするってどういうこと……

上映前にもあんなに案内が出ているのに……

と考えていて、ふと、思いました。

「あの子たち、まさかだけど、映画館で話をしたらいけないってことを知らない?」

そうでない可能性ももちろんあり、ただのマナーの悪い子たちの可能性もありますが、

予告編のときなども前を見ていないし、それをいけないことなんだよと注意してくれる大人がいなかったりで、そもそも、それがいけないことだとわかっていない可能性もあるなと思ったのです。

ショッピングモールやひとの集まる場所などで、子育てに疲れた感じのあるお母さんたちが、小さい子に、

「こら、ダメでしょ!」

「なんべん言ったらわかるの!」

と怒鳴っているのを見かけることがありますが、

あれって、ダメって言われているし怒られているけれど、

「じゃあ、どうしたらいいのか」がわかっていないこと、伝わっていないことって少なくないのですね。

それと同じような状況なのかもしれないと思いました。

映画館で話をしたり、スマホをいじっている女の子たちも、ひょっとして、そういう、「どうすればいいのかわかっていない」可能性もあるのではないかと思い、ただイライラしていたのが、ちょっと納得する部分がありました。

以前、東洋思想研究家の田口佳史さんが、

「少しでも社会を健全によくして、次の世代に送るのが大人の責任」

「日本の教育には3つあって、1番が家庭教育、2番が地域教育、3番が学校教育。教育の3者をもう1回再興するのが、いま非常に重要」

「正しいという字は“この線で止まれ”ということ。線というものがないと人間はどこで止まっていいかわからない」

とおっしゃっていました。

普段、すばらしい才能と力を持っている子たちと関わらせていただいていますが、

才能だけで正しい努力をしないとせっかくの力も開花しないし、

せっかく力があっても、そこに人間性や人間的な魅力が伴っていないと、応援されないし、人の恨みをかって足をすくわれることもあります。

すばらしい才能を持った子どもたちの成長と教育に関わっているものとして、きちんと「線引き」をしてあげられる存在でないといけないなと改めて思った出来事でした。

やる気より「その気」

こんにちは。新留です。

先日の保護者さまとの面談でのこと。

少し前までは、

「やる気が出ない〜」

「めんどくさい〜」

とよく言っていた子なのですが最近はすごくいい感じで、表情も明るく、波に乗れているなと感じていたので、

保護者さまと「いい感じですね」と話していると、

この頃は自分から机に向かい、毎日2時間は勉強をしているとのこと。

いい意味で基準が上がり、自分にきびしくなってきているようでした。

「先生にやる気なんてなくて、やっているうちに出てくるものって言われた〜」

と家で言っていたらしく、

実際にやってみて、

「ほんとやったわ」

とお母さまに伝えていたそう。

授業中、勉強以外の話をすることもありますが、言ったことを素直に聞いてくれ、やって実感してくれたんだなとうれしくなりました^ ^

何かをやりたいと思っても、その日の体調や気分ってあります。

好きなことでも、やりたくない日や気分が乗らない日もあるんですよね。

僕もよーくあります(笑)

でも、どこの中学校に行きたい、どこでこんなことをしたいってなったとき、

レベルの高いところや人気のあるところに行こうと思うと、それだけ競争率も高く、まわりのレベルが高くなり、求められることが多くなります。

その中で選ばれるためには、必然的にやらなくてはいけないことも増えていきます。

どうやって、いろんな波がある中でも、やり続けられるかが大切なんですよね。

もちろん、受験が誰かが決めたからではなく、「自分ごと」であることは大前提。

自分で選んだものじゃないと、持続的なやりたいなんて気持ちにはなりません。

でも、自分で選んだものでも、やっぱり波はあるもの。

その際、

難しいことほど、やることを具体的に「いつ」「どこで」やるか決めることが大切で、

簡単なことは、なぜそれをやるのか、やった先にどんな報酬があるのかを考えるとよかったりします。

そして、努力を継続するとき、ドーパミンが鍵を握りますが、うまく働いてもらうためには、やる気ではなく「その気」、

僕はあそこに行くんだ、という思い込み、あそこに行く人だったら今こうするよね、という自覚や覚悟も大切だったりします。

ひとつ大きな波を乗り越えて、レベルが一段階上がった感じがある子たち、これからの成長がまた楽しみです。

僕自身、行動力がない方で、よく先生に「行動しな変わらないよ〜」と言われていたので、その子の行動力を見習わないとです(笑)

苦い思い出

A long time ago in a galaxy far, far away ….

遠い昔、遥かかなたの銀河系でのこと。

ではなく、

それほと遠くないとは思いたいけど数えてみたら20年ほど前だった兵庫県でのこと。

当時、大学生だった僕は気になっている女の子と2人で神戸のメリケンパークに行きました。

そう、デートです。

まだうら若き青年は、緊張しながら少し背伸びをし、

普段は入らないような、夜はお酒を出すような大人な感じのカフェに入り休むことにしました。

そこには、普段行くようなお店に書いてあるコーヒーやカフェオレなどではなく、見慣れない「エスプレッソ」「カフェマキアート」「アフォガード」のような文字が。

その当時はまだ、「エスプレッソ」という飲み物は日本に来たばかりでまだ今ほど一般化していなかったので(というのはうそですが)、何が何だかわからない状態でした。

(何なのだ、これらの飲み物は……)

異世界に突如ワープしたようです。

しかし、そこはカッコをつけなくてはいけません。

レジの上に並んだおしゃれな単語の数々を眺めながら、

「うーん、僕はエスプレッソにしとこうかな」

そう、何が何だかわからないけどコーヒーのことをわかっている感が出そうな響き、

ジェントルマンが頼みそうな響き、

海辺で素敵な女性といっしょにいる男性が発声しそうな響きの「エスプレッソ」という謎の飲み物を頼んだのです。

うん、値段もコーヒーっぽいし。

すると、見たこともない小さなカップが。

(ち、ちっちゃ……!!)

普段飲むような、コーンスープなどを入れることもありそうなカップではない、あまりの小さいカップに、

(これは少食のひと用……?? それとも、試飲用……??)

と戸惑いつつ、知った感じで口をつけます。

(こ、濃い……)

あまりの濃さにシワを寄せ、5歳は老けました。祝・大学卒業。

「エスプレッソ」

その通っぽい響きで頼んだはいいものの、

あまりのカップの小ささに損した感じがし、

あまりの濃さにカップは小さいのに飲み干すのが大変ということになってしまいました。

ああ、若い……。

今となっては笑い話ですが、

こういう、知らないことを知らないって言えなかったことで困ったことになることってよくあります。

勉強でわからないときにわからないって言えないこと。

できなかったのにできなかったって言えないこと。

ちょっと理解があやしいからもう一度説明してほしいときに説明してほしいって言えないこと。

テストや問題を解いたとき、

「ケアレスミスした〜」

という子に、

「それって本当にケアレスミス?」

と聞くことがあります。

「careless」

注意が足りなかったということだったら、

どこをどう間違って、こうすればよかったと説明ができるはず。

説明できないってことは、不注意なミスではなく、わかっていないということなのですよね。

知らないことを知らないということは恥ずかしいことじゃないし、

できないことをできないと認めることは成長の一歩です。

昔、誰かが、

「人は長所で尊敬され、短所で愛される」

と言っていましたが、

尖った部分はどんどん磨いていったらいいし、

へこんだ部分は他の人に助けてもらったらいい。

できないことはダメなことじゃないし、

できないことをできないと認めることができるようになる一歩。

知らないことを知らない。

できないことをできない。

わからないことをわからない。

と言うことで、誰かの助けを借りるきっかけになったり、誰かが自分を助けられるきっかけになるかもしれません。

大昔、僕が知ったかぶりせずに、「エスプレッソって何ですか?」と聞けば、

もっと飲みやすいカフェラテやカプチーノなどをおすすめしてもらえたかもしれないように。

勉強って自分でやらなくてはいけない部分も多いけど、誰かの力を借りることで近道できることも多いです。

いろんな人の協力を受けながら、どんどん力を伸ばしていってもらえたらなと思います。

(キンダークラスの子どもたち。いつも笑顔で元気です^ ^)

ため息でばれる

こんにちは。

新留です。

つい昨日の話。

大学生の時に働いていた個別指導塾でいっしょだった友人から「相談したいことがある」ということでzoomで話をしました。

僕が個別指導塾にいるときによくご飯を食べに行ったり、僕が個別指導をやめて集団塾に移った後もご飯に行ったりしつつ僕のあとの教務リーダーという役割をしてくれたり、

それから数十年たった今も関係が続いていて、大事な結婚式でスピーチを頼んでくれたりと、

東京で働いていたというのもあり、卒業後はそれほど頻繁に会うことはなかったけれど、帰省時や節目のときには連絡をくれる友達です。

現在、彼は奥さんの仕事の関係で海外に住んでいるのですが、子どもの学校を2つのうちどちらにするかで迷っていて相談したいということでした。

ちょうど彼の子どもの年齢の時期に伸びる力や、やり方で大切なことを話しつつ、

彼の家族が描いているビジョン、2つの学校の特徴を聞いたり、まわりからの口コミ、見学をしにいった際のやり方を聞いていると、

「あ〜こっちだな」

というのがありました。

片方の学校の様子を聞いていると、おそらく、そっちの学校だと、親的にはカリキュラムがわかりやすく設定されていたりと、不安を感じることが少なくなるかもしれないけれど、子どものマインドセットには良くない影響があるなと感じたのでした。

でも、主観的になってはいけないので、それぞれの学校のメリット、デメリット、

こっちにいくとこんな風になるだろうし、こっちにいくとこんな風になる可能性が高いですね〜なんて話をしていました。

そのことを伝えると、彼自身も、ちょうど前日、授業の見学に行った時、最初は優勢だった方から、こっちではないと感じていたことがあったらしく、

「やっぱりそうなのですね!」

と納得しているようでした。

というのは、ちょうど前日、教室での授業の様子を見学に行った時、9+4のたし算などをしていたらしいのですが、何度やってもできない子がいて、その際、先生が「は〜〜〜っ」というようなジェスチャーをしているのが見えたのだそう。

これって、先生のちょっとした反応なのですが、子どもには大きな影響を与えかねないのです。

そして、そのちょっとした行動で、先生自身がどういうマインドセットであるかがわかってしまったりするのですね。

マインドセットは子どもの幸福感や成長速度を決めるのですが、

先生やまわりの大人のマインドセットは子どものマインドセットに大きく影響を与えます。

先生やまわりの大人のマインドセットが子どもに及ぼす影響って決して小さくないのですね。

その先生は、

「できないことはダメなことだ」

というマインドセットであり、

子どもができるか、できないか、という視点で見ているのですね。

子どもがどうやったらいいか考えているのを、

「できるようにがんばっている」というプロセスではなく、「できない」という結果で見ているのです。

「できるか、できないか」

もし、まわりの大人がそういう視点でものを見ていると、子どもは「できないことはダメなことだ」と思い込むようになり、考えること、手を動かすことが減っていきます。

できない状態になること、×がつくことを嫌がるよう、怖れるようになり、

「できることしかやらない」

「できないことはやらない」

「できなさそうなことはしない」

「できないことがバレそうになってきたら、興味がない、おもしろくない」

などと言うようになってしまうのです。

何かができるようになるためには必ず通らなくてはいけない継続ができなくなり、

何かをできる自分に気づくための機会に出会うことが減り、

自己効力感、自分はやったらできるという感覚を身につけるための努力をしなくなってしまうのですね。

自分のマインドセットは「できるかできないか」型なのか、

それとも、「できるまでやったらいいし、できるようになるもの」型なのか。

これって大きいのです。

「レッテル」はお守りにもなるし、呪いにもなります。

「よくできたね」は賞賛にもなるし、「君にできるとは思っていなかったよ」という中傷にもなります。

簡単なことをやらせるのは「自分はできないわけじゃない」と気づかせるきっかけにもなるし、「君はそれくらいのレベルの子だ」と伝える合図にもなります。

見せている背中や言葉がけ、ちょっとした仕草。

いいメッセージを発している環境にいたいですね。

海辺のイケメン

こんにちは。

新留です。

先週末のこと。

その日は朝からとても天気がよく、気温も20度前後と最高の散歩日和。

これは海でも見に行くしかないと、大阪北港マリーナに行ってきました。

目の前はヨットハーバーという最高の景色である「ヘミングウェイ大阪」に少しランチの時間をずらした2時に到着。

のんびり休日のランチを楽しむことにしました。

あらかじめネットで検索し目星をつけていた「牛ランプステーキ300g」のランチセットを頼み、最近ではあまり見かけることのないドリンク「スプライト」に心躍らせ、空いている席を探し、ボーっと目の前の海を眺めながら、料理ができた時に呼び出される用のブザーが鳴るのを待ちます。

手渡されたブザーの番号は11番。

オーダーをする時、お客さんの並んでいる数の割にキッチンが小さく、スタッフさんも少ないのが見えていたので、少し待つかもしれないな〜と思いながら待っていたのですが、なかなかブザーは鳴りません。

(けっこう時間がかかっているな……)

と思いつつ、まわりを見渡していると、たくさんのカップルや家族づれ、

「職業クリエイティブ系です」というようなスタイリッシュな格好をした人たちばかりで飲み会をしている団体(パリピ集団と命名)、

プールサイドでなぜか彼女の足をずっとマッサージしている筋肉隆々な男性(てもみんと命名)、

「天才」スラムダンクの桜木のセリフが書かれた派手な赤いTシャツを着ているのになぜか持ってきているのがサッカーボールという中学生ぐらいの子とその家族とお友達など、個性豊かなお客さんが。

勝手にそこにいたお客さんの背景やストーリーを想像し、ご飯ができるまでの時間をつぶしていました。

ですが、なかなかブザーは鳴りません。

天気は良いのですが、少し風が冷たかったので屋内に入り、ソファー席でぐでっとしていると、

となりのソファー席には、東大医学部在学中に司法試験に一発合格したり、英検や数検1級を取得したり、「頭脳王」で優勝したりなどで有名な河野玄斗さんそっくりのイケメンと、その彼女らしき女性が。

その河野玄斗似のイケメンはくるぶしを出したズボンを履いており、「イケメンだけに許されるズボン……」と思って眺めていると、何やら、ソワソワしています。

くるぶしが出ていて寒いわけではなく、どうやら、料理が全然出されず、イライラしているよう。

見ると、ブザーには「6」という数字が書かれています。

「6」なのにまだ待っているんだ……?

「11」ってどうなるの……? ディナー……? 

と一抹の不安がよぎったのですが、特にその後の予定を決めているわけではなかったので、のんびりとまわりを眺めながら、過ごしていました。

その間にも、となりのくるぶしイケメンはイライラ、そわそわ……ついには、キッチンにまでどうなっているのか聞きに行ったようでした。

あの、機嫌が悪いひとが近くにいる時の独特の緊張感のある空気、わかりますでしょうか。左数メートル先に、あの空気が満々に漂っていました。

話も盛り上がっているような感じがありません。

それから数十分待ち、ようやく、となりのカップルのブザーが鳴り、男性が急いで食べ物を取りに行ったのですが、急いで食べ、風のように去って行きました。

待っている間も、食べている間も、彼女はあまり楽しそうではありませんでした。

目の前にはきれいな海。

少し風は冷たいけど、最高の天気というシチュエーションなのに……。

余裕がないばかりに、目の前にあるすばらしいものに気づけなくなっていたのですね。

これって、僕らの普段の生活や仕事でもあることだなと思いました。

ひょっとしたら、くるぶしイケメン君は、その後に、何か大事な用事が詰まっていたのかもしれません。

その後に勝負ディナーを仕込み、ここでの食事はあくまで余興、軽く済ませる予定でお腹を満タンにしていてはいけない計算だったのかもしれません。

くるぶしから冷たい風が入りこみ、風邪を引きそうでしんどかったのかもしれません。

でも、目の前にはきれいな景色やすばらしい環境があり、となりには(おそらく)大事な彼女がいるのに、目の前の料理が出てこないということにイライラしていて、その大事な時間、大事な人との時間を楽しめていないようでした。

何より、いっしょにいる相手が全然楽しそうではありませんでした。

ひょっとしたら、そんな機会は、滅多にあるものではないかもしれないし、ひょっとしたら、一生ないかもしれない時間なのかもしれないのに、その大切な時間を味わえていませんでした。

ただ、料理が出て来ないというだけなのに。

ひょっとしたら、彼は2日間何も食べておらず、空腹すぎたのかもしれませんが……。

まあ僕も空腹のなか料理が出てくるまで1時間待ちましたが……ええ……。

良いところがあまり見えなくなっていたり、悪いところばかりが目につくとき。

それは余裕がなくなっているときなのかもしれません。

僕らの仕事でも、授業中に進めたいカリキュラムや教えたいことはありますが、やらなくちゃいけないことだけにとらわれて余裕がないと、

子どもたちの中からふっと出てきた大事な好奇心や疑問、おもしろい質問を見逃したり、せっかくの学びの機会を逃してしまうかもしれないな。

きちんと余裕をつくって、目の前にある素敵なものに気づけるように生活をしていきたいなと思った出来事でした。

余裕や空白って埋めたくなるものですが、それらって、実はいちばん豊かなものなのかもしれませんね。

(目の前には海とバブリーなプール)

ヨーダ先生かく語りき

先日の高学年の授業中のこと。

「先生〜、やる気が出ないねんけど、どうすればいい?」

という質問がありました。

たとえ受験生だったとしても、自分の受験になっていなくてそんなにやる気がない子もいるだろうし、

しっかり目標があったとしても、疲れていたり、悩み事があったり、花粉症だったりで(睡眠不足になったり睡眠の質が落ちたりと、これはけっこう大きい)、やる気が出ない時もあるでしょう。

勉強はしないとできるようにならないし、してもすぐにできるようにならない時もあります。

受験というのは他の人との競争でもあるので、たとえ勉強をしていても、他の人がもっと勉強していたら、相対的に偏差値などは下がってしまいます。

それによって、余計にやる気が出ない時もあるでしょう。

やらなくちゃいけないとわかっているのにできないのは、なかなかしんどいものです。

その子の質問に対して、

「やる気って待っていたら出てくるものではないんだよ〜」

と言って、脳ってどうなっていて、どういう風にすればやる気が出るのか、脳ってどういう風に学んでいくのか、などの話をしました。

やる気って、体を動かしたり、手を動かしたり、そういえば、こういうことしたかったんだよな、そのためにやるんだよなって思い出したり……

何かをやり始めることで、出てくるものなのですよね。

かくいう、僕自身も、今このブログを、タイマーを起動させ、MacBook Airを開き、メモ帳を開いて何書こうかな〜と思いながら書いています(笑)

さて、これを読んで、

「そっか〜。じゃあ、最近サボっていたあれやってみるか〜」

とぼやっと考えた方。

スター・ウォーズのヨーダ先生の言葉にこんなものがあります。

「Do. Or do not. There is no try.」

(やるかやらないかやで。やってみるとかないねんで)

「やってみる」では弱いのですね(笑)

「やる」、というか、もうスマホを閉じて動き出している、くらいが理想です(笑)

僕と同じように行動力のなさには自信がある方、

・テレビを見る

・ネットを見る

・YouTube動画を見る

・寝転ぶ

・ソファーや椅子にもたれる

・部屋着のままでいる

と逆にやる気がなくなっちゃうので注意してくださいね。

オードリー・タンさんの学び方に学ぶ

こんにちは。

新留です。

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【早割は13日までです!】

手を動かし、考える力を養う算数講座。

詳細はこちらからどうぞ。

https://www.rakuto-minoh.com/blog/2021spring-2/

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Amazonプライムで映画3作を見たというぐらいで、それほどファンでも、ハマったこともないのですが、お休みの日と公開初日が重なったということもあり、西宮ガーデンズにある映画館で、

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

を見てきました。

よくわからないところや、そうなるのか! とびっくりしたところ、あとで考察サイトを見てわかったところなどもあるのですが、感想を一言でいうと、

「ちゃんと終わってよかった」

でした(笑)

きっと長年のファンの方などは、供養を済ませたような気持ちなのではないかと思います。

(果たして、『ハンターハンター』は僕が生きている間に完結するのでしょうか……)

休日は映画を見ることや、本屋さんで新しい本やおもしろそうな本をチェックするのが習慣で、今週も8冊新しい本を手に入れ、読んでいるのですが、その中の1冊、

『オードリー・タン 天才IT相7つの顔』にこんなことが書いてありました。

オードリー・タンさんといえば、学歴は中卒、

IQは少なくとも160、プログラミングの達人、トランスジェンダー。

35歳で台湾のIT大臣に選ばれ、2019年には「世界の頭脳100人」にも選ばれた天才であり、今回のコロナ禍で世界が注目するような迅速さで効果的な対策を打ち出したという、世界が誇るべき偉人ですが、

読書のとき、95%はiPad Proで読むといいつつ、その際、ペンがないなら、電子機器では読まないそうなのです。

理由は、

「文章を読むときには、メモを取り、絵を落書きするから」だそう。

ただ、読まない。

読んだ気にならない。

自分の頭でどういうことかと考えて、手を動かして、整理して、理解するそうなのです。

手を動かして考える、試行錯誤して自分のものにしていくのですね。

これを見て、「眼高手低」という言葉を思い出しました。

この言葉は元々、「眼だけが高く、手が低い」、要するに、「他の人の批評は上手だが、自分ではやらない人、自分ではできない人」という意味の言葉なのですが、

『暮しの手帖』の創刊者である花森安治さんは、これをいい意味の、

「高い理想を持ちつつも、現実もよくわかっているように」

と捉え直し、編集方針にされていたそうです。

理想を持つことは大事、でも、そのために思い描くだけでなく手を動かし続けることはもっと大事。

手を動かす、実行すると、うまくいかないこともあるけど、手を動かさないと、うまくいく可能性さえ生まれないのですね。

「ダウンロードするだけの人になるのではなく、自分の作品をアップロードし、ネットへの貢献者になろう!」

これがオードリー・タンさんの合言葉なのだそうですが、彼女は、天才ではあるかもしれないけれど、手を動かすことを何より大切にしているのだなと思ったのでした。

さて、今回の春期講習の算数では、この「手を動かして考える」というのを徹底的にやってもらいます。

算数というと、論理的な感じがしますが、

特に11歳ごろまでは体感で学ぶこと、コツコツと手を動かし考えたり、わかるまで最後まで粘って考えるということ、そして、難しい問題ができた時のできた! という喜びを感じるという体験が大切になってきます。

それを今回の講座でたくさん味わってもらいます。

・手を動かさずに考えるクセがある子

・数や量に対する感覚が弱い子

・間違えること、失敗することを怖がっている子、チャレンジをするのが苦手な子(「Fixed Mindset」といいます)

・算数ってつまらないと思っている子

・計算はできるけど、考えるのは苦手な子

新4年生くらいまでの、そんな子たちには今回の講座は特におすすめです。

たくさん手を動かして、考えるおもしろさ、わかる喜びを感じていきましょう!

学ぶことを楽しむ子に。

そして、子どもたちが批評家ではなく、実行者になっていきますように。

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「やわらか頭をつくり算数脳を引き出す算数パズル修行」

お申し込みはこちらから。

https://www.rakuto-minoh.com/blog/2021spring-2/

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書ける子が増えるよろこび

こんにちは。

 

新留です。

 

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【早割は13日までです!】

 

普段、高学年クラスの子たちだけが受けている「作文」講座の募集が始まりました!

 

詳細はこちらからどうぞ。

 

https://www.rakuto-minoh.com/blog/2021spring/

 

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昨日のこと。

 

高学年クラスでは、国語の授業中に作文を書いたり、社会の授業でマインドマップを自分で使えるようになるための練習をするのですが、1回目に提出してもらった作文とマインドマップ両方で、初回にしては完ぺきではないかと思うぐらい、よくかけている男の子がいました。

 

お母さんがお迎えに来るまでの間、

 

「今回の作文、きちんと相手が求めていることを書けているだけでなく内容的にもおもしろかったし、マインドマップもテキストをよく読んで理解して、工夫してまとめられていたね〜」

 

というと、

 

「月に1回ぐらい、自分で趣味でマインドマップにまとめたりしていたから……」

 

と恥ずかしそうに答えてくれました。

 

なんと、授業できちんと書く練習をする前から、自分で普段からマインドマップを自己流で活用してくれていたそうなのです。

 

お母さまから、

 

「1年生や早くから入学する子が多いなか、うちの子は入るのが遅かったのですが、それでも、すごく楽しいみたいで……」

 

と聞いていたのですが、授業を受動的に受けるだけでなく、積極的に学びとって活用しようという姿勢に感動しました。

 

高学年クラスでは、国語では、中学、高校、大学入試はもちろん、大学生、社会人になっても通用する語彙力と読解力、そして、作文力の基礎と磨き方、

 

社会では、自分で文章やテキストを読み、理解し、要点を整理し、まとめる力をつけていきますが、

 

これから、フィードバックをくり返しながら「型」をひたすら磨いていった結果、どんな風になっていくのかな〜と今から楽しみです。

 

昨日は、「うちの子が何だか読むのが早くなってきた気がするって言ってました」という声もいただき、うれしいばかり。

 

子どもたちが読めて、書けるようになっていくのを見るのはたまりませんね(笑)

 

いい気持ちになり、来週のネタ集めにも精が出ます。

 

さて、普段は高学年のクラスでしかやっていないのですが、年に2回か3回開催する作文講座の受付が始まりました!

 

この講座は簡単にいうと、中高一貫校などでもよく出題される統計データを読み解き、それについての意見を書く練習をする講座になります。

 

入試には関係なくても、この講座はデータやグラフの読み解き方やそこからわかることを考える練習や、自分の意見をどう書くかの練習もありますので、普段、テキトーに読んでいる子や書いている子にはもちろん、論理的に考える力を鍛えたいと思っている子にはすごくおすすめの内容です。

 

ご興味のある方はこの機会にお待ちしております^ ^

 

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「らくらく読み解く!統計データ作文」

 

お申し込みはこちらから。

 

https://www.rakuto-minoh.com/blog/2021spring/

 

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