一人ひとりの子ども達が「自己肯定感や自己重要感を持てるようになる」ものを才能だと定義したい
これは、一般社団法人認知的個性協会副会長などを務める野添絹子さんの著書『子どもの才能チェックBOOK』のあとがきにある言葉です。
自分のことが大好きで、素晴らしい存在だと思っていたとしたら、失敗を恐れずにチャレンジしたり、失敗したとしても、今回はやり方がよくなかっただけ、次はこうしてみよう!と一つの学びの機会としてとらえることができます。
それってすばらしいことだなと思います。
昨日のこと。
RAKUTOに入学してから4か月ちょっとの小学3年生の男の子Yくんが、授業後、テキストの忘れ物をしていきました。
授業の間にやったりする、算数の大切な力、論理的思考力と空間認識力を育むためのテキスト。
Yくんは、小さいころからドリル学習をかなりこなしてきたこともあり、計算はすごく早いのだけれど、空間認識力(空間把握力、イメージ力)の部分はこれから伸びていくところ。ちょっとニガテ意識を持っちゃっています。
(Yくんの名誉のために書いておきますが、やっていることは大人でも難しく、お母さま方から「こどものテキストを見ても私は全然わかりません」ということを聞きます)。
テキストを見ると、一瞬でできたものもあれば、がんばってできたもの、何週間もかけて解いたもの、挑戦したけどなかなかできなかったので今は置いているもの、見向きもしていないもの(図形の問題です笑)などが一目瞭然なのですが、
そこには、たくさんの挑戦のあとが見えます。
その何度もの挑戦の甲斐あって、Yくんは、少しずつ空間認識力が伸びてきていて、元々あった論理的思考の力が活かせるようになっていたり、問題を見てひらめくことが多くなってきています。
ほんとにすごい成長していて、
お母さまが「こんなのがわかるの」と驚かれたりすることもあったり、僕も授業中、算数の発想力が伸びてるな~と感じたり、理科の歌を3倍で歌ったりしているのを見て「よく歌えるな~」と驚いたりと、能力的、脳力的な伸びのすばらしさもあるのですが、
でも、何よりすばらしいなと感じるのは、「もう1問やる!」という意欲が出ていることだったり、授業前は全力で遊びながら、そのあとはものすごい集中して取り組んでいることだったり、難しそうな問題を見たときにとりあえず手を動かしてやってみる試行錯誤の力がついていることだったり、下の学年の子に「あんな、これはな…」と教えるやさしさが出てきていること。
意欲や集中力、試行錯誤する力、仮説を立てて実行する力、やさしさなどは簡単に身につくものではなく、ましてや数字に表せるものでもない。
でも、社会に出ていく上で一生の財産になるものだと思います。
能力的なものもだけど、なんだかそういうものが育まれていることがうれしいです。
野添絹子さんが書かれているように、「自己肯定感や自己重要感を持てるようになる」ものが才能。
そして、点数には表れなかったり、本人には当たり前にできるので気づきにくい、認めにくいものが才能であったりもすると思います。
そういうものを見つけてあげたり、認めたり、伝えたり。
そんなことがもっとできるようになりたいな。
Yくんのうっかりの忘れ物に、そんな気持ち、ちょっとあったかい気持ちにさせてもらった日でした。
たくさんの才能が花開きますように。
そして、自分のすばらしさに気づいていきますように。
全力で遊ぶのに付き合い、いつも肩で息をしているにいどめ