少し前ですが、いま、話題になっている「花束みたいな恋をした」を見に行ってきました。
コロナでレイトショーがなくなる前は、週に1回は映画館で映画を見る習慣があったのですが、約1ヶ月ぶりの映画でした。
有村架純さん、菅田将暉さん主演の恋愛映画。
映画の内容はというと、ネタバレになってしまうのであまり書けませんが、こんなに自分に合う人がいるなんて! と恋が始まったのが、就職を機に少しずつすれ違っていき、最後、別れる……という、あるあるな話。
大好きな人といっしょにいるためにイヤだけど仕事を選ぶ男性と、
大好きな人には大好きなことをしていてほしいし、大好きな人と楽しく生きたい女性。
あるある……。
わかる……。
ああ、あった……。
など、心がグサグサと痛み、
最後の思い出のファミレスでの、
これから始まる2人と、もう戻れない2人の対比が美しく、涙がボロボロあふれる映画でした。
終わった後、映画のなかで、男性と女性の伝えたかったことと、相手に伝わっていたことのズレを思い出していたのですが、それって大人と子どもの間でもよくあります。
「褒めることが大事」
「認めることが大事」
なんてことを読んだり、聞いたりすると、
「よくできたね!」
「すごいね!」
と言ったりすることが多くなりますが、これって、なかなか取り扱いが注意な言葉。
「できたことをほめる」ということは、イコール、「できないことはダメ」というメッセージになり得ます。
「そんなにたくさんのことを知っているなんて、えらいね!」という言葉は「知らないことはよくないこと」という裏のメッセージになり得ますし、
「ひとつも間違えなくて、すごい!」という言葉には、「私はあなたがまちがえなかったことをいいと思っている」「間違うことはいけないことだ」という裏のメッセージになり得ます。
子どもたちは、その裏のメッセージに敏感で、無意識的にかもしれませんが、「うちの親や先生はできること、知っていることを評価する人なのだ」と思ったりするのですね。
そして、それがひどくなっていくと、間違える可能性があることをしなくなったり、間違えないようにズルをしたり、知らないことを隠そうとするようになります。
「できるかどうか不安」というレベルにチャレンジしているときに、人は「フロー」という状態になりやすくなります。
フロー体験をすることで、僕たちは「自分なんてどうでもいい」ではなく、「自分は何が好きなのだろう」など自分の人生にたくさんの関心を持つようになります。
「無力感」ではなく、「自分で自分の人生をコントロールしている」という感覚を持ち、「自分はダメだ」ではなく、「自分には物事を達成できる力がある」と感じられるようになります。
そして、フロー体験をたくさん経験した子どもたちは、10代の間、自分の才能を活かす活動に熱心に取り組む傾向が強くなります。
「できないことはやらない」「できそうにならないことはやらない」ということは、その大切な機会を奪ってしまうことになるのですね。
そして、そのきっかけは、大人がいいと思って言っていた「よくできたね!」「すごいね!」だったります。
今までより難しいことにチャレンジするとき、できないのは当たり前。
それが、自分の夢だったり、どうしても叶えたいものだったりすると、たくさん失敗するのが当然です。
「やればできるとわかっていることはつまらない」
昔、僕が尊敬する方がいっていた言葉ですが、
子どもたちにも、これからの長い人生、
「こんな風になりたい!」
「こんなことしたい!」
と希望を持ち、難しいこと、大変なことに出会った時、
「難しいな〜……これはおもしろいな〜やりがいがあるな〜」
と感じてもらえるようになってもらえたらいいな、と思っています。
(映画の後に食べたサラダ。苺がいいアクセントになっていておいしかった…!)